公益財団法人 伊藤謝恩育英財団 Ito Scholarship Foundation

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2015/02/16

創立20周年理事長メッセージ

~財団創立20周年を迎えて~  

 早いもので、伊藤謝恩育英財団は今年で創立20周年を迎えました。設立は私が古希(満70歳)の年で、今年4月の創立20周年記念式典では私の卒寿(満90歳)も祝ってもらいました。財団が人間の年齢でいえば成人式を迎えることができたのは、ひとえに関係者のみなさまの温かいご支援と、奨学生のみなさんの真摯な努力の賜物と、深く感謝しています。

  財団は当初、高校生から大学院生、日本語履修者への学費支援、そして日本研究への研究助成を手掛けましたが、現在は大学生、大学院生への学費支援を集中して行なっています。奨学生は685名に及び、苦学を乗り越え、巣立って行った若者達はビジネスに、学術研究に、各界で活躍し、功績を積んでいます。また、132件に及ぶ研究助成も、研究者の方々が学界等で大きな業績をあげられる一助となっています。

 創立20周年記念式典と研修の集いには多くのみなさまにお集まりいただき、懐かしく懇談させていただきました。その折、OB・OG会の「雅会」より記念のアルバムを贈られ、みなさんの活躍の様子を拝見でき、大変うれしく思いました。20年の歳月を振り返る時、財団設立の初心の思いがよみがえります。

 母と兄と私の3人で始めたささやかな家業は、「羊華堂」から「イトーヨーカ堂」を経て「セブン&アイホールディングス」と社名を変え、戦後の70年間で大きく育ちました。奇跡といわれた日本経済の戦後復興、高度成長もそうですが、信じられないような成長の歴史です。セブン&アイグループと私が今日あるのは、お客様をはじめ、多くのみなさまのご愛顧、ご支援のお陰です。

 財団の名称に「謝恩」を加えたのは感謝の気持ちを表したかったからです。まず、異父兄、伊藤譲への感謝の気持ちです。兄は人格的にしっかりした、向学心の旺盛な人でしたが、貧しく理不尽な環境の下で満足な教育を受けることができませんでした。その兄が、厳しい生活の中で、私を専門学校に通わせてくれたのです。兄は、商売が軌道に乗ったころ、44歳で亡くなりました。

  母の伊藤ゆきも時代に翻弄された苦労人でしたが、自分は10年同じ着物を着ていても、困った人に頼まれると断れない性格の人でした。その母の口癖は、「お世話になった人に恩返しをしようと思った時は、その人はもういない。だから、できる時に、できる人に、親切にしてやりなさい」というものでした。

  兄への感謝の気持ちと母の教えが、「謝恩」という言葉に込めた思いです。

  財団の基本財産はセブン&アイホールディングス株式で、財源を株式配当に依存しています。財団の財政が健全に保たれ、社会貢献の成果を上げてこられたのは、セブン&アイグループの経営が順調に推移しているからです。お客様や取引先に支えられ、グループで真面目に働いている多くの人々のお陰です。

 私の感謝の気持ちはセブン&アイグループが世の中に受け入れられ、生かされていることへの感謝の気持ちでもあります。生活産業であるグループ企業が健全に発展するには、世界が平和で豊かになってくれなければ困ります。そのための、有為な人材を育てることの大切さを強く意識するようになりました。

 みなさんが奨学生に選ばれたのは何かのご縁です。しかし、学業成績が優秀なだけではつまらなく、自分が良ければいいというのでは寂しすぎます。自分独りで今日があるのではない、親御さんをはじめ多くの人々に支えられて今日があるという、感謝の気持ちを忘れない人になって欲しいと思います。

 末永く財団活動を続け、財団で培った繋がりの輪を「雅会」で更に広げることで、謝恩の心を忘れない、これからの世の中を背負う人材育成の一助になることを切願して止みません。次世代に続く当財団に対し、奨学金を受けられたみなさん、研究助成を受けられたみなさんはもとより、今日までご指導、ご助言をいただいたみなさまにも、変わらぬご支援をお願いしたいと存じます。

公益財団法人 伊藤謝恩育英財団 理事長

伊藤 雅俊

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