青木 夕菜 『私の挑戦は続く!』
二年間に渡る奨学金の給付、本当に感謝しております。おかげさまで勉学に集中することができ、以前からの志望大学であった早稲田大学に入学することができました。大学では囲碁会に所属し、大学近くの碁会所で和気あいあいと練習を重ねています。研究熱心な先輩が多く、よい刺激をいつも受けています。
高校時代は学校に部がなかったため、個人の大会のみでしたが、
大学では初めて団体戦を体験し、個人戦とは又違った楽しさを発見できました。
私は女子部チームの副将として出場し、春の大学対抗大会では惜しくも準優勝に終わってしまいましたが、秋の大会では男子・女子チームとも優勝しアベックVを飾りました。来年の大会も、チーム・個人ともに全勝を目指したいと思います。
2001年度奨学生 現在・早稲田大学 商学部
小針 美紀 2001年度奨学生(奨学金支給中) 『ブルガリアの孤児院でボランティア』
人間にとって大切なのは物ではなく、愛であるということ。
それについて学んだのは遠い国の子供たちからでした。昨年の夏、私はNGOを介してブルガリアの孤児院に渡りました。そこには高校生くらいの「家庭の事情で家に帰れない、または親のいない子供たち」が共同生活をしていました。
私はそこで、彼らの夏休み中、ゲームやスポーツを盛り込んだキャンプをオーガナイズしていました。多感な時期に不自由な生活をしながらもパワーを失わない彼ら。日本という遠い国から来た私に、最初は恥ずかしながらも、こちらが毎日話し掛けるとだんだんとなれてきて、私もできるだけブルガリア語を覚え、学校の話や互いの国の話、恋愛の話などをしました。別れの際は互いに大粒の涙を流していました。
このような経験ができたのも、貴財団のご支援あってのことだと思っております。
現在・日本女子大学 人間社会学部 心理学科
藤本 賢 2001年度奨学生 『安心して食するために・・・』
私の所属する海洋放射能研究室は、水産資源の放射能水準の推移を長年にわたって明らかにするため、日本周辺に生息する海産生物の放射能測定を毎年行なっています。日本各地の水産研究所から提供された主要魚種の放射能を測定し、私たちが日常食する水産物が安全であることをチェックしています。研究室では、放射能に関わる研究を行なっており、毎年約1ヶ月の乗船調査では日本海において海底土や沈降粒子、海産生物をサンプリングし、放射能を測定します。これらのデータをもとに、平常時の環境放射能濃度を把握し、日本近海で不測の事態が発生しても、直ちに対応できるよう放射能レベルを監視しています。
現在・水産総合研究センター 海洋放射能研究室
薮中 厚生 1999年度奨学生 『亡き先輩の業績を偲んで』
私の研究領域である神経科学という分野には、松本元(まつもとげん)先生という世界的にも著名な研究者がおられた。先生は理研のグループディレクターをされ、私にとっては雲の上の存在でした。
今年3月に先生が急逝された後、先生は財団の評議員もされていたと知り、人の繋がりの不思議さ、大切さというものを実感することになった。先生は「目標を持つことの重要性」を説いておられた。人間は目標に向かって努力しているときは向上するが、その目標を一旦達成してしまうと満足し、もう伸びなくなってしまう。高きに向かう成長にこそ幸福感と生きがいが生まれるのだとおっしゃっていた。さらに自ら設定した目標を達成する仕組みを創るために、脳が最も必要とすることはその対象に対する限りない愛であり、「脳は愛のためにある」と表現され、他人を愛することができない人は自分も愛せず、したがって真に輝くことは難しいともおっしゃっていたことが印象的である。
先生亡き今、その意志を受け継いで、「愛し愛される」人として、心新たに目標を見つめ直そうと思う。
現在・理化学研究所 脳科学総合研究センター
榛葉 都 2001年度奨学生(奨学金支給中) 『なぜイギリスの大学の門をくぐったか』
今年の3月、私はケンブリッジ大学のキャンパスを踏みました。私の大学にケンブリッジ大研究室訪問プログラムがあったので、多くのノーベル賞受賞者を輩出している教育に触れてみたいと思い参加しました。そして何より、自分の知らない所で知らない人とコミュニケーションしたいという思いが強かったからです。今、科学が社会へ与える影響は非常に大きなものになっており、科学者も多角的かつグローバルな視点が必要とされています。したがって、社会や他の科学者と頻繁にコミュニケーションを図る能力が求められてきています。私の大学が誇る英語教育で培った英語コミュニケーション能力を本場で試したいという気持ちで臨みました。しかし、実際はショックの連続で、ケンブリッジ大生の高いプレゼンテーション能力や積極性に圧倒されました。自信を持って彼らと対等に渡り合える能力をつけて、もう一度あの門をくぐりたいと強く思いました。
現在・国際基督教大学 教養学部 理学科
桜井 郁弘 1998年度奨学生 『自分の会社を創ってみて・・・』
大学時代私は友人とベンチャービジネスを経験し、経営の難しさなど多くのことを学びました。そこで「経営の神様」松下幸之助の設立した松下電器産業で学びたいと入社しました。現在パナソニックマーケティング本部に所属、多くの人間的に尊敬のできる先輩社員、上司に出会い、たくさんのことを学び、吸収、成長を実感しながら日々を過ごしております。私の将来のビジョンは短期的にはPanasonicが世界有数ブランドになれるようブランド構築を目指しマーケティングを極める、中期的に経営参画、長期的には経済的援助を目的とした伊藤謝恩育英財団のような(おこがましいながら)財団法人の設立をと大学時代から一貫して考えております。そのためのひとつの経験として今はPanasonicに非常に愛着を持ち、築き挙げられた過去からの財産を未来につなげられる人材となれるよう常に自己改革し、成長していきたいと思っております。
現在・松下電器産業
森澤 龍也 2001年度奨学生(奨学金支給中) 『私は何を伝えようとしたか』
私は昨年(2002年)9月9日に、砂田財務大臣政務官との意見交換会に参加する機会を得ました。今、日本経済は一般物価が下がりつづけるデフレが問題になっています。デフレ対策として、多くの人が財政金融政策を主張し、不良債権処理はデフレを加速させるとしています。そういった主張を行なう人々の背景は「政策変数の操作性」が念頭にあるのではないでしょうか。
財政政策の場合、政策担当者は公共投資額を決めることができます。
金融政策では、日銀が政策金利を動かせます。ところが、不良債権は政策当局が自由に動かせません。ただし、制度改革を通じてこれに影響を与えられます。私が行った実証検証によれば、不良債権処理の方が中長期的なデフレ対策としての有効性があり、財政金融政策はそれほどの効果も持ちません。私は経済政策を立案する際に「政策変数の操作性」にとらわれず、「政策効果」を念頭におくことが一番重要ではないかと主張しました。
現在・関西学院大学院 経済学研究科 博士課程
渡辺 夏海 1998年度奨学生 『こうして進路が決まった』
今、私は同志社大学を卒業し株式会社リクルートで社会人2年目として毎日を送っております。大学時代は、財団の奨学金を頂いたお陰で、学業及び様々な活動に心おきなく勤しむ事ができ、本当に多くの経験を積めました。今、私の夢は、日本の地域活性化のために一役買えるような人間になる事です。大学生時代、NPO を通じ京都の伝統産業の職人を世界に紹介したり出身地である沖縄を紹介するフォーラムを開いていく中で、「地方」を「全国・世界」に発信していく事の大切さを学びました。
現在、日本は地方分権や不景気の打破といった事が叫ばれていますが、
私はそれぞれの地方が、独自の個性を活かして、景気を回復し幸せな生活が送れるような仕事がしたいと思い、日々頑張っております。
財団の皆様とお会いし、色々なお話ができる機会があればと思っております。
現在・リクルート IMC-DC所属
田中 志穂 2001年度奨学生 『学会の壇上に立って思ったこと』
2001年9月、ドイツのラウイッシュホルツハウゼン城で開催された国際学会に参加する機会に恵まれました。論文でしか知らなかった研究者の方々と直接顔を合わせ、最新の研究成果を報告することができた経験は、非常に貴重なものでした。
約一週間の学会期間中、様々な国の研究者が一つの城に寝泊りし、三食を共にしたことから、踏み入った議論を行なうことができたのはもちろん、お互いによく知り合うことができました。その後、今も何人かの研究者と連絡を取り合い、交流を深めています。特にこの学会の主催者の教授とは、2004年11月にヨーロッパの小型ロケットで共同実験を行なう予定です。財団のご援助のおかげで修士課程を無事修了することができ、今年から日本学術振興会の特別研究員になることができ、また、博士課程に進学することもできました。現在、地上での研究と併せて、宇宙での実験に夢を膨らませながらロケット打ち上げの準備を進めています。
現在・東京理科大学院 理工学研究科 博士課程
大澤 真一 2000年度奨学生(奨学金支給中) 『どのような教師を目指すか』
よく、教師には使命感・専門性・生徒理解が必要であると言われます。
この夏、母校で教育実習をさせて頂き、授業・休み時間・部活動などで生徒と多く接していく中で、その重要性を痛切に感じました。教師も生徒と共に“なぜ?” と一緒になって考えて、生徒が自ら興味を持つように授業を進めることが大切であることは勿論のこと、毎日違う顔を見せる生徒やクラスの雰囲気に常に気を配る必要がありました。高校生は、本当に様々な事に興味を持つ多感な時期であり、極端に言えば、高校という場では生徒の人生が大きく左右されうるのです。その中で、教師と生徒という以前に“人”と“人”として接していく中で時には失敗を助け、励まし合い、成功を喜び、自然と信頼関係が築ける、これが私の考える理想の教育現場です。
将来は「しなければならない」ではなく、「しよう」という意識を持ち、さらに「相手の立場に立って物事を考えられる生徒の育成」を努力目標に、高校教師として頑張っていきます。
現在・九州大学 理学部 科学学科
島津(田中) 美由紀 1995年度奨学生 『企業での心のケアの必要性』
厚生労働省の調査によれば、「自分の仕事や職業に関して“強い不安、悩み、ストレスがある”」と答えている就業者は全国で62%にものぼるといわれています。実に5人に3人がストレスを抱えているのです。“仕事の量が多いだけでなく、やらされ感が強い、さらに相談できる相手もいない”そんな職場環境での仕事が続くと、誰しも慢性的なストレス状態に陥る可能性があります。ストレス状態に陥った人は、時に仕事上のミスや上司・顧客とのトラブルなどが引き金となり、精神的な疾患に陥ったり、最悪の場合には、自殺を図るというケースも発生してきます。
このような事態を防ぐためには、慢性的なストレス状態に陥ってからの対応では遅すぎます。やはり、普段から働きやすいマネジメント体制、お互いに顔のみえるコミュニケーションづくりなどの「ストレス対策」をいかに行っているかにかかってきます。
IT 化が進み、顔のみえないコミュニケーションが中心になってきたり、成果主義の台頭で、同僚までもが競争相手となり孤独しがちな「今」だからこそ、企業での心のケアが求められているのだと思います。企業・産業領域での心理職はまだ日本では数少ないですが、これからさらに努力していきたいと思います。
現在・ソニー 心理研究職
清水 えり奈 1999年度奨学生 『実践している、大学院で学んだこと』
大学院では授業で論文やレポートを多く書きました。
自らの疑問点について、自分なりの答えを見つけ、それを他人に理解してもらうようにしなければいけません。授業で発表し、同期生や先生と議論するうちに、シンプルに表現することが最も他人に理解してもらいやすいことに気付き、自分なりに努力をしてきました。現在の会社(日本貿易振興会に勤務して4年)に入り、日本への参入に関心のある海外企業向けに日本の各市場の情報を提供する仕事と、反対に海外進出に意欲のある日本企業向けに海外の各市場情報を提供する仕事を行なっています。それぞれのクライアントに対して、社会システムや気質が異なる国における市場の仕組みや商い習慣をいかに理解してもらうかが常に課題になります。このためには「シンプルな言葉とシンプルな文、そしてシンプルな構成」に努めており大学院での経験が大いに役立っています。
現在・日本貿易振興会(ジェトロ)

