堀江 薫(1994年度大学奨学生日本研究者) 『研究生活の折り返し地点に立って』

私は1994年度に財団の日本研究助成をいただきました。6年間の米国留学生活の後、1994年4月から東北大学に勤めましたが、お陰さまで日本での研究生活を順調にスタートさせていただくことができました。 その後、東北大学において16年間にわたって留学生に対する日本語教育に従事するとともに、大学院において日本語を中心とする対照言語学、言語類型論分野の研究教育を行い、多くの大学院生とともに充実した時間を過ごしました。この間2002年から2006年にかけては21世紀COEプログラム「言語・認知総合科学戦略研究教育拠点」リーダーとして言語学と脳科学の融合的研究・教育を推進し、本年には最近の研究のまとめとして『言語のタイポロジー〜認知類型論のアプローチ〜』(研究社)を上梓いたしました。 2010年4月からは名古屋大学大学院国際言語文化研究科に移籍することになりましたが、財団から研究助成をいただいた時の初心を忘れずこれからも新しい環境で研究・教育にチャレンジしていきたいと思います。
現在/東北大学大学院国際文化研究科・高等教育開発推進センター教授
2010年4月より名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授に就任

星 貴子(1998年度高校奨学生) 『映画業界に入って』

まず初めに、高校時代の2年間、勉強する機会と見聞を広めるご支援をくださった伊藤謝恩育英財団に改めて、心からお礼を申し上げます。私は現在、高校、大学で志した法曹という職業を断念し、映画の宣伝という、全く別の分野に従事しています。そもそも映画に関わる仕事を選んだのは、映画が好きという理由以外に、自分が影響を受けたように、映画が人に感動を与える総合芸術だからこそ、様々な人に人生が豊かなるよう、映画を観てもらいたいと思ったからです。これまで2年間、洋画、邦画、ドキュメンタリーなどジャンルを問わず宣伝してまいりました。主な業務は新聞・雑誌、テレビ・ラジオ、インターネットなど複数のメディアにわたる宣伝戦略を練り、それに則ったマスコミ露出を図る交渉を行うことです。従事する中で、マスコミだけでなく、様々な専門家の方々にお会いしてお話を伺うという幸せな機会にも恵まれます。気力体力がないと勤まらない仕事ですが、観るものに夢と希望を与えることのできる映画の世界。まだまだ半人前ではありますが、私はこの世界の住人として、この先も誇りを胸に、励んでいこうと思っております。
現在/株式会社リベロ マーケティング事業部 宣伝部

石 美貴(1998年度大学奨学生) 『研究生活の折り返し地点に立って』

まず初めに、奨学生として採用し、大学時代に勉強に専念できた環境を与えてくださった財団に感謝を申し上げます。 続きまして私の近況を簡単にご報告したいと思います。 私は現在、グローバルな投資活動を行っているファンドに関わるコンプライアンスに携わっています。ファンド業界のコンプライアンス業務に数年間携わってきた私は、「投資活動によって得られた利益を社会に還元するファンド(SRIファンド)」が日本に普及できるよう貢献したいと考えるようになりました。これは、社会貢献活動を行い、私に学ぶ環境を与えてくださった財団に対し「謝恩」を行いたいという気持ちに基づくものです。 日本において、SRIファンドを含むファンドに対する投資がより活発的になるために、何よりも投資家が安心して投資できる環境の整備が重要とよくいわれます。ファンド業界のコンプライアンスは、まさに投資家の利益を守り、投資家が安心して投資できる仕組みを整備するための手段です。私は、現在、多くの関係者とともにファンド業界のコンプライアンスの向上に努めております。そして、今後も財団に対する感謝の気持ちを持ち続け、SRIファンドの普及を実現するために様々な経験を積んで参ります。
現在/ファンド投資運用会社

金澤 成江(1995年度高校奨学生) 『財団とわたし』

映画監督への夢を抱いて奨学金をいただいてから15年。描いた夢はカタチを少し変えて、今のわたしがいます。デザイナーであり、アートディレクターであるわたしの仕事は、導き、作りあげること。視野を広く持ち、あらゆるバランスをとるという点でかつて描いた夢と同じかも知れません。奨学金をいただいたことは経済的な支えになったことはもちろん、精神的な支えとなり、ときにはカンフルとなっていたのだと思います。伊藤謝恩育英財団の奨学生であったということが、自らを高めていくための一つの指針であることは今も変わりません。近年、わたしは朝を大切にしています。甘いカフェラテを片手に鼻歌を歌いながら少し多めに歩きます。朝は前の晩に詰め込んでおいた情報がいったんほぐれて、キレイに結びつく、大切な時間なのです。考えやデザインを寝かせることで、たくさんの気づきや圧倒的な効率が得られることを、ハードな日々の中から学びました。いくつになってもデザイン続けていきたいと心から思えること、そして、それを支えてくれる数々の出会いに感謝しています。
現在/株式会社アイディーエイ

池端 束記(2004年度大学奨学生) 『毎日が手探り』

 大学を卒業して1年半と少し。まだまだ社会人としては半人前で、時々大学生活を懐かしんでしまいますが、それは私にとってそれだけ大学生活が印象深いものだったからでしょう。自分が学びたいと思った学部で勉強し、サークル活動に取り組み、小学校でのボランティア活動に参加し、といろいろなことにチャレンジすることができた4年間でした。充実した大学生活を送ることができたのも、財団から経済的な面、精神的な面の両面からサポートしていただいたおかげです。心より感謝申し上げます。

 私は現在、秋田県庁の産学連携等を扱う部署で勤務しています。理系のまったく触れたこともない分野を扱うこともあり、頭の中が「?」で埋まることも多く、周りの上司、先輩方に助けてもらいながら何とかこなしているところです。一方で、仕事以外でもつきあえる同期に恵まれ、今年は市民マラソン大会に一緒に出場するなど、交流を深めています。財団の皆様から、人との「縁」の大切さを教わりましたが、今、縁のある様々な人たちにより、私の毎日が支えられていることを実感しています。
現在/秋田県学術国際部科学技術課

小川 遥(2005年度大学奨学生) 『他力を自力に』

皆様、いかがお過ごしでしょうか。きっと前向きに夢に向かって邁進していらっしゃるのだろうと確信しております。私はというと、現在保険会社にて自動車関連企業に対する営業活動を仕事としています。自分が責任を持って物事を実現していく力を得ていきたいと思いながら、奮闘する毎日です。最近仕事で、ひいては人生で最も大切だと感じることがあります。「他力を自力にする」ことです。これは私が所属する部署の合言葉でもあり、日々仕事の中で感じざるを得ません。ここで財団の仲間や事務局の方々のことを考えてみると、私の「人生」に対して「自力にできる他力」を与えてくれる存在であるように思います。負けそうなときには奮い立たせてくれる存在であり、辛いときには応援し、味方になってくれる存在なのです。OGとなった今も変わらずこう感じられることは大変な幸せだと思います。この幸せを胸に、「謝恩」の下に集った財団という「ご縁」をいつまでも大切にし、「謝恩」の心を育てながら、「他力を自力に」、皆様に負けじとこれからも日々ひたむき に走っていきます。
現在/東京海上日動火災保険株式会社勤務