公益財団法人 伊藤謝恩育英財団 Ito Scholarship Foundation

OB・OGからのメッセージ

2020/12/22

謝恩の心に近づくことと私の使命

2005年度大学奨学生 Yさん

保険会社で10年勤務した後、夫の海外転勤に伴い退職し、現在は米国フィラデルフィアにて、保険会社でPL事故を担当していた縁でパラリーガルとして働いています。私は母子家庭で育ちました。塾に行かず公立高校で学び、奨学金をいただいて地元の大学を卒業し就職しました。それは誇りではありますが、自活してかつ母を助ける経済力を得るという1つのゴールに到達した後のモチベーションには悩みました。人はハングリー精神でパワーが湧く反面、それだけでは長続きしません。大企業の組織の一員として、また、米国で言語の壁に苦労しつつ働いたり、移民の地位向上を目指すNPOに参加したりといった経験から、温かい人や社会にいかに支えられているかを理解するに至り、自分の幸せで満足せず社会をより良くするために努力しようと考えるようになりました。ようやく真に謝恩の心に近づけたのではないかと思います。私は何かのスペシャリストではありませんが、男性社会で少数派としてキャリアをスタートし、女性の活躍推進が急激に進む中、公私に渡るジェンダーの問題やワークライフバランスについて一緒に悩みながら、周りの女性を大切にして歩んできました。夫は今後も転勤が続きますが、自分自身がキャリアを諦めないことを軸に、働く意味や楽しさを女性に伝えていくことが、財団を始めとするこれまで私に期待しチャンスを下さった数々の方への恩返しであり、使命と感じています。
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