公益財団法人 伊藤謝恩育英財団 Ito Scholarship Foundation

OB・OGからのメッセージ

2021/12/21

仕事について、そして前向きに日々を過ごすために

2008年度大学奨学生 Nさん

司法書士事務所で不動産登記の仕事に携わっています。不動産登記とは全国の土地建物の状態を記録・公示する制度のことですが、自分なりにこの仕事を一言で表すと「不動産取引のインフラ」だと思っています。登記記録は不動産取引において最重要の資料となるため、司法書士が行う登記申請には正しさが求められます。例えば売買によって所有権が移った登記申請をする際には、申請書に正確な売買日を記載するだけでなく、その売買が法的に有効に成立しているかまで確認する必要があります。専門性が高く正確性が求められる業務ですが、多様な不動産取引を見えないところで支えていることにやりがいを感じています。 登記の世界は卒業後偶然出会ったもので、最初は失敗ばかりで落ち込んでいた時期もありました。多くの方に支えていただきながら試行錯誤し、次第に仕事の面白さや登記の奥深さが分かってきました。昨今の状況下、奨学生の皆さんの中には「こんな大学生活になるとは...」と感じる場面もあるかと思います。原因は異なりますが気持ちがもやもやする状態は仕事を始めた頃の自分と重なります。あくまでも体験談ですが、一本違う通りを歩いてみるなど、できる範囲で昨日と違う行動を取ってみると気分が変わるかもれません。様々な出会いに感謝し、財団の理念の一節にある「順境におごらず、逆境にひるまず」という言葉をいつも胸に歩んでいきたいと思っています。
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