公益財団法人 伊藤謝恩育英財団 Ito Scholarship Foundation

OB・OGからのメッセージ

2021/12/21

~拝啓 十八の君へ~

2008年度大学奨学生 Iさん

毎年With Youが届くと、「2008年度奨学生のみんなはどうしているかな?」と思います。08のみなさん元気にしていますか?あの時の18歳はいつの間にか32歳ですよ?卒業の時、みんなでプロフィール帳を作ったのが懐かしいね~。対面でもオンラインでも、またみんなで会えるといいですね! 前置きはともかく、私は高校時代から子どもの心理臨床に興味があり、今は県の心理職として児童相談所で働いています。今年で8年目になりますが、正直なところ、何年たってもこの仕事の多忙さと切迫感には慣れません。児童虐待のニュースが飛び込むたびに、「Aくんは無事にしているかな。Bくんのお母さんも不安定になっていないだろうか。Cちゃんは大丈夫か。でも、まさかっていうこともあるし...」という考えが頭をよぎります。日々、大きなプレッシャーと隣り合わせの職場だと感じます。でも、ここだけの話ですが、実は児童相談所でしか味わえない体験もたくさんあります。暴力を繰り返していた子が、自分の行動に向き合い始めたとき。不信感の強かったお母さんが、悩みを打ち明けてくれたとき。そういった瞬間に、根気強く寄り添い続けることの意味を教えてもらいました。 稀有なご縁で、あの時の18歳はこんなふうに自分の道を進んでおります。今まで、財団はもちろん、いろんな方々に応援してもらいました。今度は自分が、身近にいる大切な人たちや次の世代に返していければと思います。
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