2025/12/19
近況
1996年度大学院奨学生 Kさん
大学院にてご縁をいただき、あと少しで30年。正に、光陰矢の如しです。私は、この期間一貫して、神経系の新規治療法の開発を目指した研究を行ってきました。現在、様々な細胞を用いた移植治療が実現されつつありますが、私も以前はその一端を担い研究を進めていました。しかし、基礎医学研究者として、将来実現するかどうか全く分からない領域に踏み込むのも面白いのではと考え、研究の方向性を大きく変更し、現在は高い再生能を持つ有尾両生類(イモリ)を用いた再生生物学研究を行っています。イモリは、神経損傷後でも自発的な再生現象によりほぼ完全な神経機能再建を果たすことが知られています。車いす生活だった人が立ち上がり普通に歩くことができるような医療の実現のため、日々の発見を重ねていきたいと思っています。大学教員としては、解剖学実習や献体活動、他にも医学部4年目の学生に課される公的試験の学内委員長として、医学教育に携わっています。大学の将来は、人が集まるかどうかに依存します。学生が医師となり大学に戻ってくるかどうかは、大学への帰属意識に大きく依存します。単に知識を教示するだけに留まらず、人と人との関わり合いにより学生との繋がりを高め将来につなげることを、自らの使命と捉えています。「お陰様」「有難い」が少しずつ理解される年齢にも差しかかり、謝恩の気持ちを胸に人材育成に貢献したいと考えております。






