公益財団法人 伊藤謝恩育英財団 Ito Scholarship Foundation

OB・OGからのメッセージ

2025/12/19

ベトナムで見つけた"恩"のかたち

2013年度大学奨学生 Mさん

「xin cảm ơn(シン カム オン)」----毎日のように口にしていた言葉です。
財団の修了式で、「ありがとうという言葉の語源には、人との繋がりが反映されている。だからこそ、ベトナム語の"ありがとう"を大切に」と声をかけていただいたことを覚えています。
大学卒業後、私はベトナムで3年間教壇に立ちました。
「xin cảm ơn」はベトナム語で「ありがとう」を意味する言葉で、その原義は「あなたの恩に感動している」ということだそうです。
異国の街で戸惑うことも多い中、現地の方々に助けられ、何度もその"恩"に感動しました。忘れた財布を届けてもらったり、落とした靴を拾ってもらったり、体調を崩して病院へ向かう際には、タクシーの運転手さんが救急車のように走ってくれたりしました。
帰国前の最後の1年、この地に少しでも恩を返したいと思い、湖の清掃活動や孤児院でのボランティアに参加しました。ささやかながら、私なりの「xin cảm ơn」を伝えられたように感じています。
現在は地元の小学校で働いています。先日、道徳の授業で「ありがとうの言葉」という教材に出会い、財団での学びとベトナムでの日々を思い出しました。これからも、"恩に感動する心"を忘れず、人との繋がりを大切に過ごしていきたいです。

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